その求人、大丈夫ですか — 違法な求人と詐欺を自分で見分ける方法

オーストラリア全国最終更新:

結論:4つだけ見れば、かなり判別できます

  1. 時給が最低賃金を下回っていないか($26.44 が下限。Casual ならさらに25%上乗せ)
  2. 自分のビザの就労時間を超える働き方を求めていないか(学生ビザは2週間48時間)
  3. 性別・年齢・国籍を条件にしていないか(オーストラリアでは違法)
  4. お金を要求してこないか(求人応募でお金を払う場面はありません)

日本語の求人でよく見かける表現の中に、オーストラリアでは通らないものがあります。 投稿している側に悪意がなく、日本の慣習のまま書いているだけ、ということも多いです。


1. 時給を照合する

全国最低賃金は 時給 $26.44(2026年7月1日から)。税引前の金額です。

Casual(臨時雇用)なら、ここに 25% が上乗せされて約 $33.05 になります。 日本から来て最初に就く仕事は Casual であることが多いので、 $26.44 ちょうどの Casual 求人は、loading が入っていない可能性があります。

ただし「$26.44 以上なら安心」ではありません

カフェ、レストラン、小売、清掃、介護など、多くの仕事には業界別の Award があり、 最低賃金より高い時給が定められていることがあります。

自分に適用される額は Pay and Conditions Tool で調べられます。 業種・雇用形態・年齢を入れるだけです。土日や祝日の割増もここで分かります。

→ 詳しくは最低賃金の記事


2. 自分のビザで働ける時間を超えていないか

学生ビザは、在学期間中は2週間で48時間までです。

「週30時間」「フルタイム歓迎、学生さんOK」といった求人は、 学生ビザで受けるとビザの条件違反になります。

雇う側が知らずに書いていることもありますが、条件を破った結果を負うのは働く側です。 知らずに超えるとビザが取り消される可能性があります。

修士(research)と博士課程は例外で、就労時間の制限がありません。

→ 詳しくはどのビザを取るのか


3. 差別的な条件が書かれていないか

ここが、日本語の求人と豪州の法律が最もぶつかるところです。

オーストラリアでは、性別・年齢・国籍・人種などを条件にした求人広告は違法です。 連邦の差別禁止法と、ビクトリア州の Equal Opportunity Act で禁止されています。

日本語の求人でよく見る、次のような表現が該当します。

  • 「日本人女性のみ」
  • 「20代の方」
  • 「若い方歓迎」
  • 「日本人限定」

書いている側に悪意がないことがほとんどです。 日本の求人ではよくある表現だからです。 ただし、これが書いてある求人はその職場が豪州の労働法をどこまで把握しているかの目安になります。 賃金や労働時間の扱いも同様である可能性を考えてください。


4. お金を要求してこないか

求人に応募する過程で、応募者がお金を払う場面はありません。

次のような要求があったら、応じないでください。

手口 見分け方
「スポンサーします」と言って金銭を要求 **雇用主のスポンサーは、雇用主が費用を負担する制度です。**本人に請求するのは不正
「研修費」「登録料」「制服代を先に」 就労前に応募者が払う名目は、基本的にありません
銀行口座の情報を早い段階で求める 給与の振込先が必要になるのは採用が決まってから
TFN を応募段階で求める TFN が必要になるのは働き始めるときです
面接をせずに即採用、報酬が相場より大幅に高い 資金の受け渡しに口座を使わせる目的のことがあります

渡豪直後は、この手口の標的になりやすい時期です。 収入が必要で、英語に不安があり、 現地の相場が分からない。その3つが揃っているからです。急かされたら、いったん離れてください。


そのほか、契約前に確認しておくこと

  • Payslip(給与明細)は出るか。 出ない職場は、後から時給を検証できません
  • 現金払いか振込か。 現金払いでも最低賃金と労働法は適用されます。 「Cash だから安くて当たり前」ということはありません
  • ABN を取るよう言われていないか。 実態が従業員なら、Contractor 扱いにしていても問題になり得ます。 指示を受けて決まった時間に働くなら、それは従業員の働き方です
  • Trial shift が無給になっていないか。 実際の業務をしている場合、有給になる可能性があります

求人を探す場所

当サイトは求人を掲載していません。探す場所としては、次のようなところがあります。

  • Seek、Indeed、Jora — 一般的な求人サイト
  • Gumtree — 個人・小規模の募集が多い
  • Workforce Australia — 政府の求人サービス
  • 日本語のコミュニティ掲示板
  • 店舗への直接訪問(飲食・小売では有効です)

どの場所で見つけても、上の4点は自分で確認してください。 掲載されていること自体は、その求人が適法である根拠になりません。


おかしいと思ったら

賃金が支払われない、明らかに低い、条件が話と違う。 こうした場合の窓口は Fair Work Ombudsman です。

当サイトは個別の判断はできませんが、どこに聞けばいいかは必ずお伝えします。


公開前チェックリスト

  • 最低賃金と Casual loading を Fair Work Commission で確認(2026-07-27・金爆)
  • 学生ビザの就労時間を内務省で確認(2026-07-27・金爆)
  • 差別禁止法の該当条文を公式(豪州人権委員会等)で確認して出典に追加する
  • 求人サイトの一覧を実際に開いて、現在も稼働しているか確認する