TFN(税務番号)の申請は無料です — 税金の基本と、やりがちな間違い
結論
3つだけ先に書きます。
- TFN の申請は無料です。 料金を請求する非公式サイトがありますが、ATO の申請自体に費用はかかりません
- 申請にはオーストラリア国内の住所が必要です。 住所が決まる前には申請できません
- TFN がないと、給料から高い税率で源泉徴収されます。 仕事が決まる前に取っておくのが得です
TFN とは
TFN(Tax File Number)は、オーストラリアの税務上の個人番号です。
- 原則として一生同じ番号を使います
- 働くとき、銀行口座、税金、Super(退職年金)で使います
- パスポートのように広く見せる番号ではありません
- 渡す相手は雇用主、ATO、銀行、Super fund など、正当な必要がある先だけです
申請に必要なもの
外国パスポート保有者・一時滞在者は、ATO のオンライン申請から手続きします。
- パスポート情報
- オーストラリアのビザ情報
- オーストラリア国内の住所
- 氏名・生年月日などの個人情報
通知が届くまで時間がかかることがあるので、住所が決まったら早めに申請してください。
有料の「TFN 申請代行」サイトに注意してください。ATO での申請は無料です。
仕事を始めるときは TFN Declaration
雇用主から TFN Declaration の提出を求められます。ここで申告するのは主に次の4点です。
- TFN
- 税務上の居住区分
- この雇用主から Tax-free threshold を申請するか
- Working Holiday Maker に該当するか
掛け持ちしているときの注意
Tax-free threshold を複数の雇用主で同時に申請すると、年末に追加納税が発生することがあります。 非課税枠を二重に使ってしまい、源泉徴収が足りなくなるためです。
掛け持ちする場合は、通常もっとも収入の多い1社でのみ申請します。
ビザの居住資格と、税務上の居住は別物です
ここは混同されやすいところです。
ビザ上「一時滞在者」でも、税務上は「オーストラリアの居住者」と判定されることがあります。 ATO は、海外留学生が6か月以上続くコースに在籍する場合、 税務上の Australian resident になる可能性があると説明しています。 ただし滞在状況などによって判定は変わります。
税務上の居住区分が変わると、適用される税率が変わります。
税率
以下は ATO が掲載している 2025–26年度の税率です。
いま提出する Tax return は、この 2025–26年度分です。 オーストラリアの会計年度は6月30日で終わるので、2026年10月31日が期限の申告は 2025年7月1日〜2026年6月30日の所得についてのものになります。
税務上の居住者(2025–26年度)
| 課税所得 | 所得税 |
|---|---|
| $0 – $18,200 | Nil(かかりません) |
| $18,201 – $45,000 | $18,200 を超えた1ドルにつき 16c |
| $45,001 – $135,000 | $4,288 + $45,000 を超えた1ドルにつき 30c |
| $135,001 – $190,000 | $31,288 + $135,000 を超えた1ドルにつき 37c |
| $190,001 以上 | $51,638 + $190,000 を超えた1ドルにつき 45c |
この税率には Medicare levy 2% が含まれていません。 税額控除・経費控除も別です。 実際の負担額はこの表より大きくなります。
ワーキングホリデー(subclass 417 / 462)の場合
ワーホリには、通常の居住者レートとは別の税率が適用されます。
| 課税所得 | 所得税 |
|---|---|
| $0 – $45,000 | 1ドルにつき 15c |
| $45,001 – $135,000 | $6,750 + $45,000 を超えた1ドルにつき 30c |
| $135,001 – $190,000 | $33,750 + $135,000 を超えた1ドルにつき 37c |
| $190,001 以上 | $54,100 + $190,000 を超えた1ドルにつき 45c |
ワーホリには非課税枠がありません。 1ドル目から 15c です。 居住者なら $18,200 まで無税なので、ここが大きな違いになります。
登録された Working Holiday Maker 雇用主は、最初の $45,000 まで通常 15% で源泉徴収します。 雇用主の登録状況や本人の税務上の状況によって扱いが変わることがあります。
2026–27年度の税率について
ATO はまだ 2026–27年度の税率表を掲載していません(2026年7月27日時点)。
日本語の情報サイトには 2026–27 として数値を載せているものがありますが、 当サイトでは公式に掲載されていない数値は出しません。 2026–27年度分の申告をするときは、必ず ATO の税率ページで最新の表をご確認ください。
会計年度と Tax return
オーストラリアの個人所得税の年度は 7月1日〜翌年6月30日です。 2025–26年度は 2025年7月1日〜2026年6月30日、2026–27年度は 2026年7月1日〜2027年6月30日を指します。
年度が終わったら Tax return(確定申告)を提出します。
- 自分で提出する場合の通常の期限は 10月31日
- myGov に ATO をリンクし、myTax からオンラインで提出できます
- 登録税理士(Registered tax agent)を使う場合は、別の期限が適用されることがあります
- 源泉徴収されすぎていれば還付、足りなければ追加で支払います
保管しておくもの
- Payslip(給与明細)
- Income statement
- 銀行利息の情報
- 仕事に直接関係する支出の領収書
- 在宅勤務や車両利用の記録
- Super fund の情報
控除できるのは、原則として仕事と直接関係し、自分で負担し、払い戻されておらず、 証拠が残っている支出です。
よくある間違い
有料の TFN 申請サイトを使う
ATO での申請は無料です。代行料を取るサイトを経由する必要はありません。
TFN を必要のない相手に送る
雇用主、ATO、銀行、Super fund 以外に渡す場面は基本的にありません。 求人応募の段階で TFN を求められた場合は、まず理由を確認してください。
ビザの居住資格と税務上の居住を同じだと思う
前述のとおり別の判定です。税率が変わるので、影響は小さくありません。
複数の仕事で Tax-free threshold を申請する
年末に追加納税が発生します。
領収書を保管しない
控除は証拠がないと認められません。年度をまたいで保管してください。
個別の相談はできません
当サイトは情報提供のみです。個別の税額計算や申告内容の判断は ATO または税理士にご相談ください。
公開前チェックリスト
- 出典を ATO 公式ページに設定(決定ログ 0012)
- 居住者・ワーホリの税率表を ATO の実画面で確認(2026-07-27・2025–26年度)
- Medicare levy 2% を明記
- ATO が 2026–27 の表を掲載したら差し替える
- 金爆が ato.gov.au に到達できるようになったら、TFN 申請手順も再検証する