ボンド(敷金)は大家が持っていません — ビクトリア州の賃貸で最初に知ること
結論
日本の敷金とは、お金の預かり先が根本的に違います。
- ボンドは大家や不動産屋が持つのではなく、政府機関(RTBA)が預かります
- 金額は原則「家賃1ヶ月分」が上限です
- 入居時に渡される「コンディションレポート」を5営業日以内に返さないと、退去時のボンド返還で不利になります
3つ目が一番見落とされます。書類が1枚届いて、そのまま放置してしまうためです。
ボンドを持っているのは大家ではありません
ビクトリア州では、支払ったボンドは RTBA(Residential Tenancies Bond Authority) という 州政府の機関が預かります。Department of Government Services 内の法定機関です。
つまり大家が使い込むことも、勝手に差し引くこともできません。 ボンドは借主のお金であり、原則として借主に返されます。
登録(lodging)の手続きをするのは貸主または不動産業者で、借主は自分では始められません。 ただし借主全員が内容を確認して承認しないと、登録は確定しません。 シェアハウスで複数人が契約している場合、自分のところに通知が来たら中身を見てください。
家賃の代わりにはできません
ボンドと家賃は別のお金です。「最後の月の家賃をボンドで払う」ということはできません。
上限は原則「家賃1ヶ月分」
公式ページの表現は “In most cases, a bond can’t be more than one month’s rent” です。
これを超える額を請求できるのは、次のどちらかの場合だけです。
- その物件の週の家賃が $900 を超えるとき
- VCAT(州の審判所)がその物件について高い額を認めているとき
週 $900 は、シェアハウスや一般的な賃貸ではまず超えません。 1ヶ月分を大きく超えるボンドを求められたら、根拠を聞いて構いません。
シェアハウスとルーミングハウスは別物です
法律上、この2つは区別されます。
| 契約のかたち | ボンドの上限 | |
|---|---|---|
| シェアハウス | 全員が同じ契約に署名する | 原則1ヶ月分 |
| ルーミングハウス | 4人以上が個室を占有し、各自が個別に契約する | 定期契約なら28日分、それ以外は14日分 |
日本語で「シェアハウス」と呼ばれている物件が、法律上はルーミングハウスであることがあります。 契約書の名称ではなく、全員が同じ契約に署名しているかどうかで判断してください。
コンディションレポートを5営業日以内に返す
ここが退去時に効いてきます。
コンディションレポートは、入居時点の部屋の状態を記録する書類です。 退去時に「この傷は誰がつけたのか」「掃除代は誰が払うのか」で揉めたとき、証拠になります。
手順と期限
- 貸主または不動産業者が作成し、署名して渡します(紙なら2部、電子なら1部)
- 渡されるのは入居前です。ボンドを払った場合、これは貸主の義務です
- 借主は中身を確認します。実際と違うところは、書き直してコメントを追加できます
- 署名した1部を返送し、1部は自分で保管します
- 返送の期限は、入居から5営業日以内(土日祝を含みません)
郵送する場合は、配達にかかる日数も見込んでください。
写真を撮っておく
レポートに書く欄がなくても、入居日に部屋の写真を撮っておくと後で助かります。 既存の傷、汚れ、動かない設備。日付が残る形で残しておけば、それも証拠になります。
よくある間違い
「敷金は返ってこないもの」と思い込む
日本の感覚で諦めてしまう方がいますが、ビクトリア州ではボンドは借主のお金で、 政府機関が預かっています。返還の条件で合意できなければ、VCAT に申し立てる道もあります。
コンディションレポートを読まずにサインする
「実際と違うところは書き直せる」という点が重要です。 最初から傷があるのに、そのまま署名すると、退去時に自分の責任になりかねません。
次の家を借りるとき、またボンドを用意しなければと思う
ビクトリア州にはポータブルボンドという制度があり、条件を満たせば今のボンドを 次の物件に移せます。返還を待つ間に新しいボンドを用意しなくて済みます。 利用条件は州のポータブルボンドの案内をご確認ください。
公開前チェックリスト
- ボンドの預かり先・上限・例外を Consumer Affairs Victoria で確認(2026-07-27)
- コンディションレポートの期限を公式で確認(2026-07-27)
- ルーミングハウスとの区別を公式で確認(2026-07-27)
- ポータブルボンドの条件を公式で確認して追記する